私の初仕事は、某企業の電話会議でした。
いつものようにテレビにはりついてトレーニングをしていた時、突然電話が鳴った。
登録したばかりのエージェントからの初めての電話で、「1時間以内に通訳が必要だが来れますか」とのことでした。
私はこの瞬間をずっとどんなものか想像をふくらましていたのですが、
こんな突発的な事態は全くの想定外。
しかも内容は、「経営についてとしかお聞きしていません」とやらで・・・。
こんな何重苦の案件を受けたら私どうなるの!?と思って断りたい断りたいと頭では思っていたのに、口では勝手に「お請けします」と返事していました。
自分でもこの分裂具合にはびっくり。
エージェントは通訳が見つかったことをクライアントに連絡し、私の家がクライアントのオフィスまで電車で40分の距離だったことから、1時間半後なら到着が可能の旨を知らせ、それでもOKであれば通訳を派遣すると話し、クライアントの返事を待つことになりました。
その間、ほんの10分くらいだったと思うが、私は「他の人が見つかったので、今回はキャンセルになりました」という返事が来るのを心から祈ってやみませんでした。
しかし、初仕事とは準備万端ですべての条件がそろってるなんてことないんですね・・・こんな悪条件にもかかわらず、私は現場に向かうことになったのです。
これが私の鮮烈なフリーデビュー。
電話相手はロシアなまりで、さらに電話ということで最高に聞きにくい環境であったが、協力的なクライアントだったこともあり、出来はともかく、なんとか無事業務を終了しました。
その日の感想は・・・楽しい!!楽しすぎる!
充実感でいっぱいで、終電にゆられて帰宅したのであった。
そしてそれから1か月後・・・一大事が起きたんです!
そのクライアントは、
なんとこんなに未熟者の私をヨーロッパ出張同行に指名したのだ!
私は依頼があってから、毎日すべての時間を事前資料の予習にあてました。
初めての分野で、しかも私の知識がかなり乏しい苦手分野だったので、その分野の基本的な本や最新動向、ネットからダウンロードできる資料など思いつくものはすべてかきあつめて、「毎日が一夜漬け」みたいなせっぱつまりの必死モードでつめこみ勉強をしました。
旅程は1週間で、ロンドンでは証券コンサルタントとミーティング、カンヌでは商談を行った。
私は元来年齢より若く見える童顔なんですが、ヨーロッパでは日本より拍車をかけて若く見える!?とか思うくらい、会う人会う人はれっきとした大人たちばかりでした←当たり前やけど・・・笑
これまで若く見えることはいいと思っていましたが、このときばかりは老け顔にあこがれました~だって、なんだか小馬鹿にされているような気がしてしまったもんで、子どもが来た~!って。。。汗
ただの私の英語力のなさから皆さん怪訝な顔をされてただけかもしれませんがねぇ・・。
ロンドンではいわゆる金融街エリートたちを前に、おこがましくもプレゼンの通訳をしました。
これが、最初は本当に恐怖体験でした。
逐次通訳で対応したのですが、少しでも訳が思いつくのに時間がかかってしまうと沈黙ができてしまって、その時顔を上げてしまったら・・・・すべての世界が止まっている!なんてこともあり・・・。
でも、一日につき数社回っていたので、同じプレゼンを何回もやっていると、だんだん余裕が出てきて(て言っても、微々たるものですが・・)、クライアントの社員さんに、「toddlerさん、だんだん通訳されてるときの顔が楽しそうになってきましたね。」と言っていただける程、顔をほがらかにすることまで気が回るようになっていたみたいです。
このロンドンでのプレゼン通訳で通訳の醍醐味を早々にも味わったと思っています。
というのは、プレゼンをするということなので、クライアントは自社を相手に売り込もうとしているのですが、今回は以前の訪問(クライアントは何度かロンドンに乗り込んできている)のときよりもコンサルタントの反応がよかったみたいなんです!
それは私の存在とは無関係だったかもしれませんが、それでも、ミーティングの合間に入ったカフェでクライアントの社員たちと共に感触を話し合い、祝杯をあげて一緒に喜びあえたのです。
ただの名もない若造が、ロンドン金融街を相手にこんな経験は絶対にできません。
私はたいしたお役にたてませんでしたが、自分もなにかのチームの一員のように思えて、本当に心から充実感でいっぱいでしたし、そう思わせてくれたクライアントに本当に感謝の気持ちでいっぱいでした。
通訳というのは食事中も思うように食べれませんし、実際私はこの出張でかなり激やせしましたし、14時間寝ずのフライト後、そのままプレゼンに向かうということもあり、栄養ドリンクと頭痛薬に毎日お世話になりました。
それでも、通訳でしか味わえない充実感を味わい、クライアントの成功を間近で見て、一緒に喜べるということは、本当にかけがえのない財産だと思いました。
そのクライアントとはそれまで一度しかお会いしたことがなく、気をつかうことももちろん多かったですし、カルチャーの違いで気疲れすることもあったのですが、ミーティングの合間にお供したセントポール大聖堂でクライアントの成功を共にお祈りし、その帰り際、お土産店でクライアントが自分の社員に記念になるようにと買ってあげたセントポール大聖堂のパンフレットを私にも頂いたことは、これからの通訳人生で決して忘れません。
この出張は、これからの通訳人生の糧になる経験だと思っています。
次のハードルはいつやってくるのかしら~!
なんだか思い出していたら、自分の能力の限界を試されるお仕事がいつの日かやってくるのが、楽しみになってきました
明日もトレーニングがんばりますね!!
カンヌ編はまた後日。
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